2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノカーボンマテリアルを用いた超分子集合体構築と光電変換デバイスへの展開
Project/Area Number |
08F08029
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
羽曾部 卓 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANDANAYAKA S.D.A 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポルフィリン / 光誘起電子移動 / ナノカーボンマテリアル / 光エネルギー変換 |
Research Abstract |
本研究課題では電子ドナー分子としてポルフィリン、電子アクセプター分子としてフラーレン・カーボンナノチューブを用いて光電変換機能を有する分子集合体の構築、その光物性評価、さらに光電変換特性まで段階的に研究展開を図ることを目的としている。 本年度は新たな研究展開としてメソ位にピリジル基を有する亜鉛ポルフィリンとフラーレンC_<60>に界面活性剤としてセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)を用いてアセトニトリル/DMF混合溶媒中で超分子組織化を行うことによりフラーレンC_<60>が内部包接されたポルフィリンナノロッドの合成・作製に成功した。このナノロッドでは、外側にポルフィリン集合体層、内側にフラーレン集合体層という極めて希な内外二重構造を有しており、外側のポルフィリン層を光照射することにより良好な光誘起電子移動特性が観測される。 さらに、本研究ではさらに発展させて、フラーレンC_<60>に嵩高さの異なる置換基を導入したC_<60>誘導体及びC_<70>を用いて同様の作製条件によりポルフィリンナノロッド作製を行った。その結果、C_<70>を挿入したときは直径及び長さに変化がほとんど無いものの、C_<60>誘導体を用いたときは基本分子の嵩高さが増すにつれて直径及び長さともに増大するという結果になった。時間分解分光測定(過渡吸収スペクトル・蛍光寿命測定)からポルフィリン外層からフラーレン内層への光誘起電子移動過程は集合体サイズに大きく依存することが分かった。つまり、ロッド直径が大きくなるにつれて、電荷分離過程及び電荷再結合過程ともに寿命は長くなる。また、光電変換特性評価ではIPCE:35%及び変換効率0.63%が得られ、フラーレンを内包していない系と比較して20倍という大幅な光電変換特性の改善が達成された。その他、ポルフィリンーカーボンナノチューブ複合体の光誘起電子移動特性・光電変換特性についても検討を行った。
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Research Products
(3 results)