2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノカーボンマテリアルを用いた超分子集合体構築と光電変換デバイスへの展開
Project/Area Number |
08F08029
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
羽曾部 卓 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SANDANAYAKA S. D. A. 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポルフィリン / ナノ粒子 / 一重項-一重項消滅過程 / 三重項-三重項消滅過程 / 蛍光寿命 / 過渡吸収スペクトル |
Research Abstract |
本研究では界面活性剤として鎖長の異なるエチレングリコール誘導体を用いてテトラ4-カルボキシフェニルポルフィリンにより構成されるナノ粒子のサイズを100nmから400nm程度まで系統的にサイズ制御することに成功した。このサイズ制御については透過型電子顕微鏡及と動的光散乱法によるサイズ計測が良い一致を示した。赤外分光測定によりポルフィリン同士および界面活性剤との間で水素結合が集合体形成に重要な役割を担っていることが分かった。また、粉末X線解析から粒子のサイズに関わらずポルフィリンの集合体構造は同様な内部結晶構造を有することがわかった。これらポルフィリンナノ粒子の定常分光測定については紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトル測定を行った。吸収スペクトルではポルフィリンのソーレ帯及びQ帯の波長領域の広域化が確認され、蛍光スペクトル測定では同濃度の均一参照溶液と比較して、蛍光強度の著しい消光が確認された。さらに、これらナノ粒子の光物性についてピコ秒蛍光寿命測定及びナノ秒過渡吸収スペクトル測定から光消滅過程について詳細な評価を行った。ピコ秒蛍光寿命測定から一重項励起状態における挙動、ナノ秒過渡吸収スペクトル測定からは三重項励起状態における挙動について議論が可能となった。一重項-一重項及び三重項-三重項消滅過程について速度論での議論を行った結果、粒子サイズに応じて系統的にこれら消滅過程の速度定数が変化することが分かった。
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Research Products
(2 results)