2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BRYLEV Konstantin 北海道大学, 大学院・理学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | レニウム六核クラスター / 結晶構造 / 発光特性 / 配位子置換反応 / 固体発光 / W(II)クラスター |
Research Abstract |
[Re_6Q_8(OH)_6](Q=S,Se)クラスター錯体が様々な誘導体の鍵中間体となることを明らかにした研究成果を踏まえ、[Re_6Q_8(HCOO)_6](Inorg.chem.2009)および[Re_6Q_8(CH_3COO)_6]を合成し(Inorg.Chim.Acta、投稿中)、その構造をX線結晶解析から明らかにした。いずれの錯体ともにHCOO^-、CH_3COO^-配位子がRe原子に対して単座配位することを示すととともに、室温、水溶液中において発光することを明らかにした。さらに、両クラスター錯体ともに、水溶液中においては、ターミナル配位子は配位活性であり、徐々に水分子と置換反応して[Re_6Q_8(HCOO)_<6-n>(H_2O)_n]あるいは[Re_6S_8(CH_3COO)_<6-n>(H_2O)_n]となることin situのNMR測定より明らかにした。また、生成物の一部は単離・結晶構造解析を行った。その結果、実際に水との配位子交換反応により[Re_6S_6(HCOO)_4(H2O)_2]が生成することを確認することができた。一方、Re(III)クラスター錯体を有するビニルモノマーを合成し、メチルメタクリラートとの共重合反応を通してRe(III)クラスター含有ポリマー材料を新規合成することに成功した(Chem.Euro.J.印刷中)。Re(III)クラスター錯体はポリマー中においても安定であり、比較的に強い近赤外発光を示すことから、発光材料として利用可能であることを示すことができた。
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