2008 Fiscal Year Annual Research Report
1ステップイムノアッセイキャピラリーの開発:診断・細胞応答解析チップへの応用
Project/Area Number |
08F08036
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
久本 秀明 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HENARES Terence Gaba 大阪府立大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロチップ / 角型キャピラリー / イオンセンサー / 酵素センサー / 酵素免疫測定 / 酵素活性アッセイ / 流体制御 / マイクロ分析システム |
Research Abstract |
本研究では毛細管力によって試料を吸引するのみで蛍光信号が検出可能なシングルステップイムノアッセイキャピラリーを開発し、多種のキャピラリーをチップ上にアレイ化して、多種のマーカータンパクを同時にかつ1滴の試料溶液で検出可能なチップを開発することを目的とする。 これを実現するために、本年度はキャピラリー内壁に1次抗体を共有結合で固定し、その表面に蛍光標識二次抗体を非共有結合(物理吸着)で固定化したキャピラリーを作製した。ここでは、作製したキャピラリーに試料を導入する際、抗原がなければ2次抗体が溶液バルクに拡散して終わるが、抗原を含んでいる場合には2次抗体が壁面に濃縮してくるため、壁面付近の蛍光強度を測定することで1ステップ免疫分析が実現できる。ここでは最も単純な系として、ヒトIgGを抗原とし、蛍光標識2次抗体を用いた実験を試みた。その結果、試料溶液導入直後および導入1時間後の蛍光画像を比較すると、抗原を含まない試料溶液では蛍光画像にほとんど変化がないのに対し、抗原を含む試料溶液の場合にはキャピラリー内壁付近の蛍光強度が増加していることがわかった。抗原濃度に対して蛍光強度変化量をプロットすると確かに抗原濃度に依存した蛍光強度変化が現れ、本アイディアの原理が検証された。以上の成果は昨年の化学・生命科学のためのマイクロシステム国際会議(Micro-TAS 2008)にて発表した。上記の実験では蛍光標識抗体を2次抗体として用いているために濃度感度はあまり高くないが、その後、酵素反応増幅の機構を採用することでng/mlオーダー以下まで検出下限が改善されることが予備実験で明らかとなったため、今後は実験方法をこちらに切り替えて当初目的である診断・創薬研究の飛躍的進展に寄与する1ステップイムノアッセイの達成を目指す。
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Research Products
(9 results)