2008 Fiscal Year Annual Research Report
オレフィンや極性モノマーの精密重合に有効な高性能チタン錯体触媒の設計・創製
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08F08039
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRABHUODEYARA M.Gurubasavaraj 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | チタン錯体 / オレフィン重合 / アルキル錯体 / 配位・挿入反応 / 配位子効果 / 触媒設計 / 極性モノマーの重合 |
Research Abstract |
本課題はオレフィンや極性モノマーの精密重合に有効な高性能チタン錯体触媒の設計・創製である。期間中は特にキレートビス(アリロキソ)アルコキソアミン配位チタン錯体触媒に注目し、関連錯体の合成と有機A1錯体との反応を検討する。特に有機A1化合物との反応でオレフィン重合の触媒活性種であるアルキルカチオン種を発生させることで、多量の助触媒を使用しなくとも高活性を発現する錯体触媒を設計・創製することを目的としている。平成20年度の主な成果は以下の通りである。 各種フェノキシ配位子を有するキレートビス(アリロキソ)アルコキソアミン配位チタン錯体を合成・同定した。いずれの錯体も良好な収率で単離可能で、錯体の同定はNMRスペクトル及び元素分析で行い、その構造を単結晶X線構造解析で決定した。フェノキシ配位子のオルト位に二つのメチル基やイソプロピル、フェニル基を有する錯体はチタン原子を中心とする単核の5配位構造を有するものの、オルト位にフッ素を導入した錯体では、いずれもアルコキソ配位が架橋した2核の(チタシ原子を中心とする)6配位錯体を形成することが明らかになった。 得られた錯体を用いて、メチルアルミノキサン助触媒の存在下でエチレン重合を検討したところ、触媒活性は使用するフェノキシ配位子上の置換基の影響を強く受け、特にフェノキシ酸素のオルト位をフェニル基やフッ素で置換した錯体は、触媒活性を示さなかった。また、従来のアルコキソ配位錯体に見られた、高温での活性向上効果やA1Me3添加による活性向上効果は見られなかった。有機A1化合物やA1錯体との反応を鋭意検討している途上で、上述の錯体の反応性を詳細に検討している。
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