2009 Fiscal Year Annual Research Report
オレフィンや極性モノマーの重合に有効な高性能チタン錯体触媒の設計・創製
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08F08039
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRABHUODEYARA M. Gurubasavaraj 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | チタン錯体 / オレフィン重合 / アルキル錯体 / 配位・挿入反応 / 配位子効果 / 触媒設計 / 極性モノマーの重合 |
Research Abstract |
本課題はオレフィンや極性モノマーの精密重合に有効な高性能チタン錯体触媒の設計・創製で、期間中は特にキレートビス(アリロキソ)アルコキソアミン配位チタン錯体触媒に注目し、関連錯体の合成と有機Al錯体との反応を検討する。特に有機Al化合物との反応でオレフィン重合における触媒活性種であるアルキルカチオン種を発生させることで、多量の助触媒なしでも高活性を発現する錯体触媒を設計・創製することを目的としている。平成21年度の主な成果は以下の通りである。 平成20年度に合成・同定した各種フェノキシ配位子を有するキレートビス(アリロキソ)アルコキソアミン配位チタン錯体を用いる(メチルアルミノキサン助触媒の存在下での)エチレン重合では、触媒活性が使用するフェノキシ配位子上の置換基の影響を強く受けた。この理由を詳細に検討した所、AlMe_3との反応生成物が、従来の各種アルコキソ配位錯体とは異なり、キレート多座配位子上のアルコキソ及びアリロキソ配位子上の酸素原子と架橋した錯体を形成することを明らかにした。また、低活性を示す錯体では、この様な錯形成は見られず、配位子の解離などの分解反応の進行が見られた。この事実は、アリロキソ配位錯体とアルコキソ配位錯体では、生成する活性種が異なることが示唆する。なお、アルコキソ錯体はラクチドの重合の開始剤となり、ヘテロタクチックな立体規則性を有するポリマーを与えた。論文投稿中。 アルコキソ配位子を有するキレートトリス(アリロキソ)アミン配位チタン錯体とAlMe_3との反応で、アルコキソ及びアリロキソ配位子の二つの酸素原子で架橋したTi-Al2核錯体を合成・同定した。この錯体は、助触媒なしで、加熱することで、エチレン重合に触媒活性を示した。論文投稿中
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