2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境モニタリングのためのナノ構造材料によるガスセンサーの開発
Project/Area Number |
08F08052
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池上 知顯 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHUIYAN Md.Mosharraf Hossain 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ガスセンサー / カーボンナノチューブ / 窒素酸化物 / 光触媒 |
Research Abstract |
大気の常時監視や汚染源の特定を目的とし、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を用いた高感度、かつ小型で安価なガスセンサーの作製を目標に研究を行った。本研究では、超音波ホモジナイザーでSWCNTを界面活性剤(SDS溶液)に分散させ、白金の櫛形電極を持つセンサー基板上に滴下させ、真空蒸発・乾燥させてSWCNTを固定した。SWCNTガスセンサーの感度、応答速度の特性を改善させるために、センサー材料でもあるSnO_2、WO_3などの金属酸化物を、パルスレーザ堆積法によりセンサー基板上に薄膜として堆積した。また、室温動作が可能なガスセンサーとするために光触媒であるアナターゼ型TiO_2ナノ微粒子をホモジナイザーによりSWCNTに担時させ、TiO_2を波長370nmの紫外線発光ダイオード(UV-LED)で活性化させ、SWCNTに吸着したガス分子の分解・脱着を行った。 被検ガスとして数ppmから100ppmの濃度の一酸化窒素(NO)ガスを用いて、金属酸化物をドープしたSWCNTセンサーの特性をその抵抗変化として測定した。その結果、未ドープのSWCNTセンサーに比較して、著しい感度の増加が確認できた。一方、高濃度域のガス検知ではセンサーの応答には線形性が見られず、また、室温で吸着したNO分子の脱着には数時間必要なことがわかった。 より低濃度のガス検知限界と、室温での吸着ガスの脱着可能性を調べるため、UV-LED光を照射しながらTiO_2担持SWCNTセンサーの特性を調べた結果、数十ppbのNOガスに対しても十分な感度を有し、室温においても、200℃で動作させたときと同様なセンサー回復応答が確認でき、バッテリーを用いた低消費電力型の室温動作のガスセンサーの実現が可能と考えられる。
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Research Products
(2 results)