2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質結晶周囲の3次元濃度分布のシュリーレントモグラフによる研究
Project/Area Number |
08F08054
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚本 勝男 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRIVASTAVA Atul 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 3次元 / シュリーレン / 結晶成長 / 対流 / その場観察 / タンパク質結晶 |
Research Abstract |
今年度は、結晶が溶液の中で成長している周囲の濃度勾配を3次元的に観察する装置を作成した。これは、研究分担者(Atul Srivastava)が開発した3次元シュリーレン法を踏襲するが、結晶成長研究において重要な結晶界面近傍の濃度勾配を高倍率で観察できる装置である。 完成した装置を塩素酸ナトリウム結晶の成長に適用して、成長界面近傍の3次元濃度分布の再構築を行なった。その結果、成長する結晶界面において、溶質が結晶面に取り込まれるため濃度が下がっている様子の観察に成功した。また、結晶界面上において、局所的に周囲と濃度が異なる柱状の構造が確認できた。これは、局所的な密度変化によって引き起こされた対流(プリューム)であると考えられる。 このように、成長中の結晶周囲の3次元濃度分布や対流といった、結晶の成長に直接影響を及ぼす現象の観察に成功した。現在、さらに拡大した像を得るために、"その場"観察に適した多角形の結晶成長セルを設計・作成している。また、定量性に問題があるシュリーレン法を、干渉計に置きかえつつある。 この3次元観察装置の有効性が明らかになったので、2000Kでの高温珪酸塩メルト玉内での結晶化に適用する準備を進めている。珪酸塩メルトの結晶化過程は、材料科学や惑星科学に関連した重要な過程であるが、メルト内部の結晶化については観察例がない。我々の装置によって、メルト内部の結晶化について多くの新しい知見が得られるだろう。
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Research Products
(6 results)