2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゾルゲル法を用いた六方晶バリウムフェライト薄膜の応用に関する研究
Project/Area Number |
08F08067
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 Shinshu University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHASEMI Ali 信州大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ゾルゲル / 高周波電波吸収 / 六方晶フェライト / 微粒子 / 記録媒体 / 誘電体磁性体複合体化 / 電磁ノイズ抑制 / バリウムフェライト |
Research Abstract |
今年度は、六方晶フェライト薄膜の、その記録媒体への応用のための、スパッタ法による自己組織化金下地層の検討を行なった。その結果、金薄膜は基板温度によってナノ粒子のサイズや分布を制御可能である事が明らかになった。ゾルゲル法での極薄薄膜コーティングに関する研究は、その均一性等に問題点が見出され現在も検討中である。一方、ゾルゲル法による厚膜や微粒子に関しては、元素置換による低保磁力化ならびに高周波吸収特性の改善が明らかになっている。例えばSn,Tiなどの非磁性イオン置換フェライトでは磁化のダウンスピンのみが置換され、アップスピンの磁化が増加するため、飽和磁化が理論値に近くなる事を明らかにした。このような非磁性元素の置換サイトはメスバウワー測定によって明らかになった。加えて、元素置換による異方性磁界の制御が可能であり、電波吸収帯域の制御が可能である事が明らかになった。さらに広帯域電磁ノイズ抑制体の開発を目的として、誘電体と路保有性フェライトの複合体化を検討し、均一に分散した複合体を形成する事が出来た。誘電体の含有率にギガヘルツ体での反射損失が依存し、15重量%で最も反射損失が大きい事が明らかになった。これ以上の含有率では、その複合体の構造が不均一になることがSEMで観察され、また実際に反射損失も低下する事が明らかになった。以上のように、高周波応用の六方晶フェライトの重要な基本因子である、自然共鳴周波数(ここでは吸収すべき周波数)を制御可能となった。誘電体との複合化も分散性に優れ、構造の制御可能な手法が確立された。
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Research Products
(7 results)