2009 Fiscal Year Annual Research Report
高移動度チャネル材料MOSFETのMOS界面とキャリア輸送特性に関する研究
Project/Area Number |
08F08069
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 信一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO Yi 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | MOSFET / ひずみSi / 移動度 / クーロン散乱 / 表面ラフネス散乱 |
Research Abstract |
二軸引っ張りひずみをもつバルクSi MOSFETの移動度において、特に、表面ラフネス散乱によって決まる移動度成分に関して、ひずみ量を系統的に変化させて、ひずみの影響とその物理的機構を調べた。ここで、ひずみSi MOSFETの基板の緩和SiGe基板のGe量を、0%(ひずみ量0%)から40%(ひずみ量約1.7%)まで変化させたnMOSFETとpMOSFETに対して、表面ラフネス散乱評価を行った。結果として、以下のことが明らかとなった。 ・MOS界面の形状をTEM分析により定量的に決定し、表面ラフネス散乱の散乱強度を実験的に決定する新しい手法を提案し、実測を行った。この方法では、Si/SiO2界面の界面凹凸形状の自己相関関数を、仮定を置かずに、高精度TEMによって、実際のSi/SiO2界面から直接測定し、自己回帰法を用いて決定できる。結果として、ひずみの印加と共に、表面凹凸の高さと相関長の両方が変化することが分かった。 ・上記の方法を用いて計算した移動度は、実測結果を定量的に説明できることが明らかとなった。この結果、ひずみによる電子移動度の上昇は、表面凹凸の高さの低下に、また正孔移動度の移動度の若干の低下は、凹凸の相関長の増加に起因し、電子と正孔のフェルミ波数の違いと凹凸の自己相関関数の波長依存性によって、電子移動度と正孔移動度の振る舞いの違いが説明できることが明らかとなった。 ・引張りひずみが印加されたSiにMOS界面を形成するグローバルひずみSi技術は、MOS界面凹凸の減少に有効であり、高い移動度や高い信頼性などが期待できる、新たな観点からのtechnology boosterとなり得る。
|
Research Products
(7 results)