2009 Fiscal Year Annual Research Report
非鉛系圧電セラミックスの剪断モードつ電物性の機構解明と応用
Project/Area Number |
08F08076
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴見 敬章 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Enzhu 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 非鉛材料 / 圧電体 / モーター / シェアモード |
Research Abstract |
当該研究では、これまでに行ってきた新規材料開発の成果を、実デバイスに応用することを目的としています。去年度、非鉛圧電材料のシエアモードを利用した超音波モーターを設計した。シミュレーション(ANSYS)を行って、シエアモードを利用した振動子の回転運動を得られる屈曲振動が存在することを確認し、同時に周波数特性解析から、最適寸法を決定し、最も効率良く回転運動を取り出せることを明らかにした。次にモータに用いる圧電セラミックスの合成、および材料特性評価を行なった。材料としては、High Qm特性を持つと比較的大きな圧電d定数を持つ材料を選択した。上記の結果を踏まえ、実際のモータの作製を行なうこと行なった。作製したモータについてインピーダンスの周波数依存性を測定した。そして、実際に駆動回路を組み、共振周波数の交流電圧を印加したところ、駆動することが確認できた。これら2つの材料を用いて作製したモータ、LKNNCu-USM、LFBF0.4-USMについて駆動特性の詳細な測定を行なった。その結果、両者とも駆動周波数域は、インピーダンス共振点周辺であるものの、LFBF0.4-USMの方が、広い駆動周波数域を持つことが分かった。モータの圧電材料としては、低誘電率で、kの大きさで圧電d定数を上げる材料が必要であり、シェアモード振動の利用はこれを満たす有効な手段といえる。一方で、シェアモード振動を利用する際には脱分極への対策が不可欠であることも分かった。本研究では非鉛圧電セラミックスのシェアモード振動を利用した新規超音波モータを開発することには成功した。その上、非鉛圧電セラミックスのシェアモード振動を用いたデバイスでの駆動特性の詳細な評価はほとんどなされておらず、材料開発の指針が得られたことは、今後の材料、デバイス開発において重要であると考えている。
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Research Products
(3 results)