2008 Fiscal Year Annual Research Report
低温作動型固形燃料電池用カーボンナノチューブ強化ナノ結晶セラミックス
Project/Area Number |
08F08078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 Osaka University, 接合科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Chen 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 固体燃料電池 / カーボンナノチューブ / ナノ結晶 / セラミックス電解質 / 低温作動 |
Research Abstract |
本研究では、大阪大学独自のガストンネル型プラズマ溶射を用いて、多層壁型カーボンナノチューブ(MWNT)強化ナノ結晶セラミックスコンポジットコーティングを作製し、その物性を明らかにするとともに、固体燃料電池(SOFC)への応用研究を行う。 このため、本年度は以下の研究を行った。 1.50nmのセリアナノ粉末(純度99.8%)と40-70nmの多層壁型カーボンナノチューブ(MWNT純度95%)を用いて5-40μmの溶射用粒子を準備した。この場合、セリアのみの溶射粉末、5%MWNT入りセリア溶射粉末、10%MWNT入りセリア溶射粉末の3種類を用意した。SEMによる観察の結果、それぞれの粉末は、一様の混合されていることが分かった。 2.また、ガストンネルプラズマ溶射装置によるコンポジットコーティングの作製のため、プラズマトーチの改造と溶射条件について、従来のジルコニア複合膜との比較から適正溶射条件について検討した。粉末供給については外部供給方式もできるようにした。 3.他の多層壁型カーボンナノチューブ(MWNT)強化ナノ結晶セラミックスコンポジット作成方法としてプラズマ放電焼結を行い、緻密な焼結体を得た。現在その構造・特性を調べている。 本研究では、高機能MWNT強化ナノ結晶セラミックス複合電解質を開発することにより低温領域でのSOFC性能を圧倒的に高めることができ、自動車を始めとする環境・エネルギー産業に貢献できる。また、ガストンネル型プラズマ溶射を使用したカーボンナノチューブ強化ナノ結晶セラミックス複合膜の作製におけるプラズマプロセスの解明は、新しい物理現象の発見につながるなど学術的価値が大きい。
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