2009 Fiscal Year Annual Research Report
低温作動型固形燃料電池用カーボンナノチューブ強化ナノ結晶セラミックス電解質の開発
Project/Area Number |
08F08078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 Osaka University, 接合科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Chen 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 固形燃料電池 / カーボンナノチューブ / ナノ結晶 / セラミックス電解質 / セリア / 低温作動 / XRD |
Research Abstract |
本研究では、大阪大学独自のガストンネル型プラズマ溶射を用いて、カーボンナノチューブ(CNT)強化セラミックスコンポジットコーティングを作製し、その物性を明らかにするとともに、固体燃料電池(SOFC)用セラミックス電解質としての高機能化を行うことを目的としている。 このため、本年度は以下の研究を行った。 1.セリアナノ結晶溶射粉末、5%CNT入りセリア溶射粉末、10%CNT入りセリア溶射粉末の3種類をプラズマ溶射し、700-2100μmの膜厚のCNT強化セラミックスコンポジットコーティングを作製した。SEMによる観察の結果、それぞれの皮膜は、溶融部、未溶融部の2相構造をしており、小さなクラックが生じているがジルコニア皮膜と比較して気孔が少ない構造であることが明らかになった。また、比較のためプラズマ放電焼結によりCNT強化ナノ結晶セラミックスコンポジットの作製を行い、より緻密な焼結体を得ている。 2.ナノ結晶セリア溶射粉末のXRDの結果では、キュービック相セリアのみ観測されたが、いずれのCNT強化セラミックスコンポジット皮膜においても結晶構造に変化がなく、モノクリニック相、メタステイブル相は生じていなかった。 3.カーボンナノチューブ(CNT)セラミックスコンポジット皮膜は、CNTが2相構造皮膜の中に分散して存在しており、機械的強度改善の役割を果たすことが予測できる。 4.SOFC電解質としての機能評価を行うため、これらの皮膜の電気抵抗率を測定した結果、温度上昇に対して、導電性が増すことが明らかになった。 5.外部供給方式のガストンネルプラズマ溶射装置によるセリアナノ結晶コーティングの作製のための適正溶射条件について検討した。
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