2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 章夫 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRAN Hoai Nam 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 逆解析 / 原子炉 / 軽水炉 / 炉心解析 / 燃料配置 / 出力分布 |
Research Abstract |
1.目的:本研究では、原子炉の炉心において用いられる燃料集合体に割り当てられる出力分担をまず最適化し、求められた出力分担を再現する燃料配置を推定するという、通常とは逆のアプローチにより、原子炉内の燃料配置方法を決定する。そのため、逆解析を用いて炉心内の出力分布から燃料配置方法を効率的かつ精度良く推定する方法を新たに開発する。 2.平成21年度の進捗: (1)逆問題を用いた定式化:今回取り扱う装荷パターンの設計作業を記述する数学的なモデルを検討し、最適化問題としての特徴を整理・把握した。 (2)文献調査:本研究の中核をなるのは、(入力として与えられた)炉心内の出力分布を再現する燃料配置の推定である。これは、通常の炉心シミュレーション(燃料配置→出力分布)とは全く逆の解析であり、逆問題を解くことになる。炉心解析分野では、このような逆問題の応用例はほとんどないため、他の工学分野も含めて逆解析に関する文献を調査した。 (3)高速炉心解析コードの開発:燃料配置の最適化のためには、計算時間が短い炉心シミュレーションコードが必須である。このため、主として加圧水型軽水炉(PWR)への適用を念頭に置いて、高速な炉心シミュレーションコードを開発した。 (4)逆解析コードの開発:出力分布を評価する拡散方程式をエネルギー1群で取り扱うことで、出力分布から集合体の無限増倍率を逆解析するプログラムを試作した。 3.H21年度の総括とH22年度の計画概要:H21年度の所期目標はすべて達成し、一部、H22年度に実施予定であった研究も前倒しで実施した。H21年度は比較的単純な燃料構成を対象として評価を行ったが、H22年度はより複雑な炉心に対する適用性評価などをあわせて検討する。また、焼き鈍し法など、他の手法の適用も試みる。
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Research Products
(1 results)