2008 Fiscal Year Annual Research Report
近縁野生種の新規遺伝子によるインドパンコムギの小麦粉品質改良
Project/Area Number |
08F08094
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻本 壽 Tottori University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GARG M 鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | コムギ / 製パン性 / 異種染色体添加系統 / 種子貯蔵タンパク質 / グルテニン / グリアジン / 染色体 / 小麦粉 |
Research Abstract |
コムギ種子の主要な貯蔵タンパク質はグルテニンとグリアジンであり、これらのタンパク質の構造がパン生地の性質に大きい影響を与えることが知られている。パン生地の性質をさらに改良するために、これまで177の異種染色体添加パンコムギ系統を調査し、24の系統でコムギには見られないタイプの貯蔵タンパク質を持つことを明らかにした。さらに、これら系続から得た小麦粉を調査した結果、6系統が特に有望であることが分かった。本年度は、まずこれら野生植物の高分子量グルテニン遺伝子をクローニングし、そのDNA配列を決定し、コムギの配列と比較した。また、これらの添加系統にパンコムギのナリソミック1Aテトラソミック1D系統に交配し、モノ・トリソミック系統を作った。これらの系統を自家受精または、インド、中東、日本の実用品種およびカナダの軟質および硬質実用品種合計5系統に交配した。さらに、これらの系統に、同祖染色体対合を促進させるPh^Iまたはph1b遣伝子をもつ系統を交配した。同祖染色体組換えにより、野生種染色体のグルテニン遺伝子が座乗する染色体領域をコムギの1A染色体に導入するため分子マーカーを用いて研究を行っている。本年度は、これらの研究をまとめ、2報論文を執筆し投稿した。このうち、Ae.searsii染色体の製パン性への効果についての論文が印刷された。
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Research Products
(3 results)