2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネギ異種染色体添加系統の抗菌物質および転写産物のプロファイリング
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08F08096
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
伊藤 真一 Yamaguchi University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EL-SAYED Magdi Abdel-Radi 山口大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | シャロット / Fusarium oxysporum / サポニン / 抗菌物質 |
Research Abstract |
1)ネギ異種染色体添加系統の抗菌物質のプロファイリング ネギ異種染色体添加系統(添加系統)のうち、3つの添加系統(FF+1A、FF+2A、およびFF+3A)が、高いフザリウム病抵抗性を持つことが判明した。そこで、これら3つの添加系統を水耕栽培し、各種抽出法を用いて、植物体および根浸出液中のサポニンおよびアルカロイドを抽出し、薄層クロマトグラフィー(TLC)で分離・精製を行った。得られた各画分について、Fusarium oxysporum f.sp.cepae(FOC)に対する抗菌活性を調べた結果、FF+2Aの根サポニン画分に高い抗菌活性が認められた。この結果は、シャロットの2番染色体に抗菌性サポニンの生合成に関与する遺伝子が座上していることを強く示唆するもので、今後ネギ類の耐病性品種育種を進めるうえできわめて有用な知見である。また、シャロットのサポニンを二次元TLCで分画し、各スポットの抗菌活性を調べた結果、スポットNo.5に強い抗菌活性(IC50:20ng/ml)が認められた。これまで、シャロットの抗菌サポニンを精製した例はなく本研究が最初である。 2)転写産物のプロファイリング シャロットのFOC抵抗性を遺伝子レベルで解明するために、水耕栽培したシャロットの根にFOCを接種し、回収したRNAを用いてタマネギcDNAマイクロアレイ解析を行った。この結果、FOCを接種したシャロットの根において、多数の遺伝子発現の増減が生じていることが判明した。これまで、シャロット根についてマイクロアレイ解析を実施した例はなく、本研究が最初である。今後これらの遺伝子の発現について詳細な解析を行うことにより、シャロットのFOC抵抗性の解明が大きく進展するものと思われる。
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Research Products
(5 results)