2008 Fiscal Year Annual Research Report
穀類作物における新葉展開のシグナルとしての老化葉からの窒素転流
Project/Area Number |
08F08097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牧野 周 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IRVING Louis John 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 窒素転流 / ルビスコ / 窒素のオシレーション / イネ / オオムギ |
Research Abstract |
系統の異なる数品種のイネを材料に葉の一生における窒素の流入および流出の変動、その動きに伴うRubiscoの量的変動を調べ、以前、研究分担者IRVINGがオオムギで得ている結果と比較した。また、それらの結果を数学的に統計解析することにより、葉への窒素の流入と葉からの窒素の流出、およびRubiscoの生成と分解の量的な変動のモデル化を試みた。次に、葉への窒素の流出入の茎における窒素含量変化のオシレーションを確認するため、日変化と葉の展開速度および新葉の展開速度との関係を調べた。それらの結果、イネではオオムギと異なり葉の展開に伴い、茎(tiller axis)において明確な窒素の流出入に伴うオシレーションが確認されなかった。しかし、Rubiscoの量的変動や葉への窒素の流入および流出のパターンはイネとオオムギは似通った変動を示し、葉の展開中に窒素の流入が活発で、それに合わせてRubiscoが精力的に合成されていた。葉の完全展開以降は、葉へ流入する窒素量は著しく減少し、Rubiscoの合成もほとんど行われていなかった。この期間、Rubiscoは活発に分解され、葉から他器官に窒素が多量に流出していた。このように、イネ、オオムギともにRubiscoの合成と葉への窒素流入、Rubiscoの分解と葉からの窒素流出には高い正の相関関係が見られた。にもかかわらず、茎における窒素の流出入のパターンには大きな種間差異がみられた。
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Research Products
(1 results)