2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハシブトガラスの網膜視色素と油球の光吸収と視物質の特性に関する研究
Project/Area Number |
08F08111
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
杉田 昭栄 Utsunomiya University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN M.L 宇都宮大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 眼球 / カラス / 視物質 / 角膜 / レンズ / 生化学 |
Research Abstract |
角膜の超微細構造に関する研究:鳥類の角膜は哺乳類に比ベケラノサイトが少なく、その分有においても哺乳類は角膜の浅層から深層まで分布していたが鳥類は浅層に分布が偏在する傾向がみられた。また膠原繊維が哺乳より細く、そのそれらの走行も規則性が高いことが分かった。さらに、各繊維が格子状に編まれているような特徴がみられた。このような構造が哺乳類と鳥類の光透過の違いを構築する物理的側面であると考えられた。 網膜の免疫組織化学および光透過に研究:ハシブトガラスの網膜における免疫組織化学の結果、視物質はニワトリオプシンブルー、オプシンレッド、ロドプシンの存在が明らかとなった。また、紫外線暴露実験の結果、網膜でそれに反応する細胞をc-fosタンパク同定する免疫染色法により明らかとなった。このことにより、ハシブトガラスの色覚に関するタンパクの2種は存在すること、また紫外線領域の波長を感受する機構の存在が示唆された。さらに、角膜における各種光波長の透過率をみると、哺乳類のそれは400nm以下の短波長になると一気に透過率が下がるのにたいし、鳥類の角膜は380nm付近で大きく変化し、少なくとも360nm付近までの光を透過することが分かった。 視覚器の生化学的研究:二次元電気泳動の結果、ハシブトガラスとニワトリの角膜の主要なスポットは低分子域に集中して現れていたのに対し、ウサギのそれは高分子域にのみ現れた。それら主要なスポットのうち、TOF-MSにより、α-enolaseとapolipoprotein A-Iが同定された。α-enolase は45kDa付近に3種の動物の角膜に共通して存在し、apolipoprotein A-Iは26kDa付近に鳥類にのみ存在した。
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Research Products
(4 results)