2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハシブトガラスの網膜視色素と油球の光吸収と視物質の特性に関する研究
Project/Area Number |
08F08111
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
杉田 昭栄 Utsunomiya University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMA ML 宇都宮大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | カラス / 網膜 / 油球 / カロチノイド / 神経節細胞 / ダチョウ |
Research Abstract |
ハシブトガラスの網膜視細胞の油球とその中のカロチノイドの種類について調べた。油球は赤、青、緑、オレンジ、透明の5種類確認できた。分布密度についてみると、91,202個の油球が1mm^2にみられた。油球の33%はオレンジカラーのタイプであった。それらは、網膜中心部において多くみられた。また、レッドのタイプも多くみられた。一方、グリーンタイプは、網膜周辺に多くみられた。これらの油球の色彩を形成するメカニズムを知るために、新鮮な網膜をホモジナイズして生化学的にカロチノイドの分析を行った。カロチノイドのタイプは高速液体クロマトグラフィーで解析した。その結果、astaxanthin、galloxanthin、luteinの三種を確認できた。これらのカロチノイドが、油球に存在するには単独では、存在しないと考えられ、その複合体が、実際の油球の色を形成しているものと示唆された。ただ、赤の油球、黄の油球のカロチノイドをそれぞれに解析はできなかった。一方、一連の研究としてダチョウの網膜についても調べた。網膜を伸展し、ニッスル染色を施したのち、網膜の神経節細胞の分布について調べた。その結果、ダチョウの神経節細胞は網膜全体としての平均は、652/mm^2であるのにたいして網膜中心部で7,525/mm^2であった。また、神経節細胞が網膜の背-腹でみれば中央で水平に密度が高いことがわかったが、カラスのそれらよりは密度は低いことがわかった。
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Research Products
(5 results)