2009 Fiscal Year Annual Research Report
家畜の遺伝性および感染性疾患の分子診断と予防に関する研究
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08F08112
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大和 修 Kagoshima University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Mohammad 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 動物 / 感染症 / 分子診断 / 予防 |
Research Abstract |
近年、鹿児島市近隣の肉用牛農場において、これまで国内では報告されたことのない細菌性血色素尿症に類似する感染性疾患の集団発生事例が認められた。本研究では、本疾患の原因解明と診断法確立のために、次のような実験を実施して成果を得た。 1.原因微生物の同定 原因菌としてClostrdium haemolyticumが疑われるため、保存血液を使って嫌気培養を試みたが血液には生菌は残存していなかった。そこで、本菌のflagellin遺伝子における本菌種特異的領域を増幅して、その増幅産物をシーケンス解析した。その結果、増幅した領域はC.haemolyticumに特異的な配列であり、本疾患は本菌の感染によるものと確定診断された。 2.肝内寄生虫(肝蛭)の駆虫による細菌性血色素尿症の予防 本菌は肝内クッパー細胞内で潜伏し、肝蛭などの機械的刺激で活性化し、本症を発症すると考えられている。そこで、本症発生農場の牛群にtriclabendazoleを投与して、肝蛭の駆虫を行った。その結果、駆虫後には本症発症牛が現在まで全く認められなくなった。 3.遺伝子診断法の開発とその応用 本症の診断法として、flagellin遺伝子の一部をnested PCRにて増幅する方法を開発した。その後、広島県で同様の症状を呈した牛2例が認められ、これらの症例の血液を使って、本診断法を適用した。その結果、抗生物質により治癒した場合においても、およそ発症から2週間くらいまでは、全血試料から抽出したDNAを用いて、本菌に特異的をDNAが増幅され、本症を確定診断できるこどか明らかとたった。
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Research Products
(1 results)