2009 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ロジウム(II)錯体が結合したイリド形成を経る生物活性化合物の触媒的不斉合成
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08F08115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANAKIRAMAN Krishnamurthi 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉反応 / 1,3-双極付加環化反応 / カルボニルイリド / インドール / アルカロイド / 複素環化合物 / 触媒反応 |
Research Abstract |
最近我々は、当研究室で開発したキラルなロジウム(II)錯体Rh_2(S-TCPTTL)_4存在下、分子内の適当な位置にインドールを組み込んだα-ジアゾ-β-ケトエステル由来のイミドカルボニルイリドの分子内不斉1,3-双極付加環化反応を行うと、付加環化生成物が完璧なエンド選択性かつ最高66%の不斉収率で得られることを見出した。以上の知見に基づき、キラルなロジウム(II)錯体を用いるカルボニルイリドとインドールとの不斉1,3-双極付加環化反応を機軸とする生物活性天然物の触媒的不斉合成を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1.カルボニルイリドとインドールとの分子間不斉1,3-双極付加環化反応により得られる多環式インドール化合物からの生物活性インドールアルカロイドへの変換を考慮し、官能基変換が可能な酸素原子を組み込んだエステルカルボニルイリドを設定し、本反応を検討した。Rh_2(S-TCPTTL)_4存在下、トリクロロエチルエステル由来のエステルカルボニルイリドとN-メチルインドールとの分子間不斉1,3-双極付加環化反応を行うと、目的とするエキソ配置を持つインドール誘導体が収率良く得られ、不斉収率は最高97%を記録した。この結果は、エステルカルボニルイリドとインドールとの不斉1,3-双極付加環化反応の初めての例である。 2.現在予備的検討結果であるが、本法で得られた付加環化生成物に酢酸存在下亜鉛を作用させると、オキサビシクロ環の開裂が起こり、多環式インドールアルカロイドの合成中間体となることが期待される3環式インドール誘導体が得られることを見出した。現在、本反応の収率の向上とその後の変換について検討中である。
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Research Products
(1 results)