2008 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ロジウム(II)錯体が結合したイリド形成を経る生物活性化合物の触媒的不斉合成
Project/Area Number |
08F08115
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANAKIRAMAN Krishnamurthi 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉反応 / 1,3-双極付加環化反応 / カルボニルイリド / インドール / アルカロイド / 触媒 / 複素環化合物 |
Research Abstract |
当研究室ではこれまでに光学活性N-ベンゾフタロイルアミノ酸を架橋配位子として組み込んだロジウム(II)錯体をα-ジアゾケトンとアセチレンジカルボン酸との分子間付加環化反応に適用すると、最高不斉収率92%が得られることを見出し、付加環化段階でイリドとロジウム(II)錯体との結合が保持されていることを初めて示した。以上の知見に基づき、ロジウム(II)錯体を用いるカルボニルイリドと求双極子剤との不斉1,3-双極付加環化反応を機軸とする生物活性天然物の触媒的不斉合成を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1.分子内の適当な位置にインドールを組み込んだα-ジアゾ-β-ケトエステルを調製し、イミドカルボニルイリドとインドールとの分子内不斉1,3-双極付加環化反応を検討したところ、Rh_2(S-PTTL)_4のフタルイミド基を塩素原子で置換したRh_2(S-TCPTTL)_4を用いると付加環化生成物が完璧なエンド選択性かつ最高66%の不斉収率で得られることが分かった。 2.本法で得られた環化生成物から生物活性多環式複素環化合物であるビンドロシンへの変換を検討した。得られた環化生成物にTMSIを作用させると、シクロプロパン環とオキサビシクロ環の開裂が同時に起こり、アスピドスペルマアルカロイドに属するビンドロシンの4環状骨格が収率良く得られることを見出した。
|
Research Products
(1 results)