2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋トロポニンT遺伝子突然変異による肥大型心筋症の病態発現機構の解明
Project/Area Number |
08F08117
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 幸生 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU C.K 九州大学, 大学院・医学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 肥大型心筋症 / 心筋トロポニンT / 突然変異 / 遺伝病 / 突然死 / ノックインマウス / 疾患モデルマウス / 薬物治療 |
Research Abstract |
最近20年余りの間に、心筋症の原因遺伝子変異が次々と明らかにされている。しかし、そのような遺伝的情報だけでは治療薬の開発に直接結びつかない。私たちはこれまでに、拡張型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子変異を自身のゲノム遺伝子に導入したモデルマウス(ノックインマウス)を作製することによって、病態発現メカニズムの主要な部分を解明するとともに、有望な治療薬候補物質のいくつかを同定することに成功した(Du et al.Circ.Res ; 101 : 185-194)。本研究課題では、特に若年者およびアスリートにおける突然死の主要な原因であり原因遺伝子変異が次々と明らかにされているにもかかわらず、未だに有効な治療薬が見つかっていない肥大型心筋症の病態発現メカニズムを解明し治療薬探索を行うことを目的に、肥大型心筋症患の原因突然変異を導入したノックインマウスモデルの作製を試みた。肥大型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子突然変異の一つであるS179FをES細胞に導入することに成功し、ES細胞の胚盤胞へのマイクロインジェクションによりキメラマウスの作成に成功した。しかしながら、得られたキメラマウスから次世代へのジャームライントランスミッションがどのようにしてもなされなかったため、今回残念ながらノックインマウスを得ることはできなかった。ES細胞の胚盤胞へのマイクロインジェクション技術がジャームライントランスミッションの成否を左右すると考えられるが、これには今回の補助金一年度分を超える費用がかかるため再度試みることはできなかった。肥大型心筋症の優れたモデルマウスはまだ世界でも作成に成功していないため、今後も開発を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)