2008 Fiscal Year Annual Research Report
トロポニンT遺伝子突然変異による肥大型心筋症の病態発現機構の解明
Project/Area Number |
08F08117
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 幸生 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU C. K. 九州大学, 大学院・医学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 肥大型心筋症 / 心筋トロポニンT / 突然変異 / 遺伝病 / 突然死 / ノックインマウス / 疾患モデルマウス / 薬物治療 |
Research Abstract |
最近十数年余りの間に、心筋症の原因遺伝子変異が次々と明らかにされている。しかし、それらが明らかになっても治療薬の開発には直接結びつかない。私たちは最近、拡張型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子変異をゲノム遺伝子に導入したノックインマウスモデルの作製に成功し、主要な病態発現メカニズムを明らかにし治療に有益と考えられる薬のひとつを見出した(Du et al.Circ.Res;101:185-194)。今回、若年者における突然死の主要な原因であり、いまだに有効な治療法が見つかっていない肥大型心筋症の病態発現メカニズムを解明しその治療薬の探索を行うため、肥大型心筋症患者で見つかった突然変異を導入したノックインマウスモデルの作製を試みた。本年度は肥大型心筋症を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子突然変異の一つであるS179FをES細胞に導入することに成功した。ひきつづきES細胞のブラストシストへのマイクロインジェクションによるキメラマウスの作成を進める予定である。また、心筋ミオフィラメントに対して突然変異と同等の効果をもたらすある種の薬物を用いることによって、遺伝子改変操作を行うことなく比較的簡単に目的とする肥大型心筋症モデルを作成することができる可能性を見出した。次年度は、ノックインマウスモデルの作成を進めるとともに、この薬物による肥大型心筋症モデルの病態の詳細な解析を進め2つのモデル間の相違を比較検討していく予定である。
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Research Products
(5 results)