2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
審良 静男 Osaka University, 微生物病研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUMAR Himanshu 大阪大学, 微生物病研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス感染 / 情報伝達 / サイトカイン / 炎症 |
Research Abstract |
自然免疫システムによるウイルス感染認識メカニズムを理解するため、RNAウイルスの感染を察知する細胞内センサーRIG-I-receptor(RLR)ファミリーを介するシグナル伝達経路を中心に解析を行った。我々が発見したRLRのアダプター分子IPS-1に会合する分子をベイトとして、酵母ツーハイブリッドスクリーニングを行った。その結果、IPS-1結合分子を複数同定することができた。その中の1つであるラインソゾームプロテアーゼに着目し、機能解析を行った。このプロテーゼはIPS-1とヒト細胞株内でも結合していた。また、IPS-1下流分子であるカスパーゼ8、10との関与の検討を行ったところ、このプロテアーゼの過剰発現はカスパーゼ8の活性化を誘導し、その結果転写因子NF-kBの活性化を誘導した。NF-kBは主に炎症性サイトカインの誘導に関わる転写因子であることから、ウイルス感染後の炎症反応誘導にこのプロテアーゼ経路が関わっている可能性が示唆された。さらに、このライソゾームプロテアーゼがカスパーゼ8を切断し活性化型へと変化させる可能性を示唆する知見を得ることができた。本成果は、ウイルス感染により引き起こされる炎症反応誘導メカニズムの基礎的理解を深めると同時に、このライソゾームプロテアーゼのインヒビターはウイルス感染に対する抗炎症剤として利用できる可能性を有しており臨床上きわめて重要な意味を持つ。一方、この経路の活性化は免疫機能を活性化すると考えられることがら、効率的なワクチンアジュバント作製への道を開くものとして期待される。
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Research Products
(2 results)