2009 Fiscal Year Annual Research Report
FRETによる慢性骨髄性白血病患者におけるBCR-ABLキナーゼ活性測定系の開発
Project/Area Number |
08F08127
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅香 正博 Hokkaido University, 病院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DARMANIN Stephanie 北海道大学, 大学病院, 外国人特別研究員
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / bio-imaging / 分子標的治療 / BCR-ABL |
Research Abstract |
本研究では、融合遺伝子産物BCR-ABLによって発症する慢性骨髄性白血病(CML)について分子イメージングで注目を浴びている、FRET(fluorescent resonance energy transfer)の原理を用いて、高感度にBCR-ABLのキナーゼ活性を検出する系を開発、確立することを目的とした。20年度計画では、CrkLを改変したFRETプローブの作成しBCR-ABLの活性をモニタリングするアッセイ系を確立し、CML患者から採取した血液または骨髄細胞でも、本検出系が機能することが確認できた。 21年度には、分子標的薬剤である、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブのBCR-ABLキナーゼ活性抑制効果も、効率よく検出出来ることが明らかに出来た。現在はCML患者検体のサンプル数を増やし、また、同一患者を経時的にモニタリングすることによって、本検出系の結果が分子標的薬イマチニブの治療効果と相関する傾向を明らかとしている。また、イマチニブ耐性機序は約半数がbcr-ablの遺伝子変異であり、ニロチニブとダサチニブでは種々の変異に対する感受性が異なるために、変異検出はイマチニブ耐性症例では、二世代BCR-ABL阻害剤を選択する上で重要と考えられている。しかし、bcr-abl変異が検出されない例では、事前に治療効果を予測することは困難である。本検出系での実験的検討では、遺伝子変異の有無にかかわらずBCR-ABL阻害剤の効果予測が可能であることが示された。 現在は、本学の倫理委員会の承認を得て、二世代BCR-ABL阻害剤であるニロチニブの治療効果を臨床的に検討する前向き試験を開始している。今後、本検出系の臨床的有用性を確立することで、CML患者の層別化を行い、至適治療法を選択できるこおとが期待される。
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Research Products
(1 results)