2008 Fiscal Year Annual Research Report
RCAS1を用いた妊娠高血圧症候群発症の予知についての研究
Project/Area Number |
08F08130
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 正 Osaka University, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSKITISHVILI Ekaterine 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 妊娠高血圧症 / RCAS1 / HVJ-E vector / マウス / 胎盤 |
Research Abstract |
現在までの実験では、子宮における腫瘍関連抗原RCAS-1の発現を、非妊娠マウス(8週令)と妊娠マウス(8週令)において、免疫組織染色、ウェスタンプロット、リアルタイムPCRを用いて検討した。子宮におけるRCAS-1mRNA発現は、非妊娠マウスにおいては、di-oestrus phaseにおいて発現が増強している傾向にあったが他のphaseに比して有意な差は認められなかった。また妊娠子宮を用いた検討では、day7(placentationの時期)に有意に発現が増強していた。免疫組織染色とウェスタンプロットの結果も同様であった。 次の実験として、siRNAとHVJ-E vectorを用いて子宮においてRCAS1の発現を抑制する研究を現在施行中である。pcDNA3-Luciferse gene,pcDNA3-LacZ geneをHVJ-E vectorを用いてday7の子宮に遺伝子導入したところ、子宮と胎盤において卵膜よりも高い遺伝子導入効率が確認された。ベーダガラクトシダーゼ染色においても、胎盤と脱落膜と羊膜に遺伝子導入が確認された。 現在のところの結果からは、腫瘍関連抗原RCAS-1の胎盤形成期における重要性が示唆されている。また、胎盤の形成は妊娠高血圧症候群の成因の重要な過程と考えられており興味深い結果である。 今後はRCAS1の発現を抑制した妊娠マウスにてどのような症状を来たすかを検討する予定である。
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