2009 Fiscal Year Annual Research Report
RCAS1を用いた妊娠高血圧症候群の予知についての研究
Project/Area Number |
08F08130
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 正 Osaka University, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSKITISHVILI EKATERINE 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | RCAS1蛋白 / siRNA / 妊娠高血圧症候群 / HVJ-E envelope / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
我々は、RCAS1蛋白の遺伝子発現を抑制することで、妊娠マウスの血圧上昇や、蛋白尿の出現を見るのではとの仮説を検証した。 妊娠7.5日の妊娠マウスの子宮内にsiRNA(against RCAS1)をHVJ-Eを用いて導入した。血圧と尿蛋白の測定を行った。siRNA導入は妊娠8.5日目に、western blotting、免疫組織染色を用いて確認した。その結果、RCAS1 siRNA groupでは血圧が妊娠9.5、10.5、11.5、15.5日において有意に上昇していた。また、尿蛋白は9.5日においてのみ上昇していた。この結果はRCAS1蛋白の妊娠高血圧症候群の病態における重要性を示していると考えられた。この結果を踏まえて、妊娠高血圧症候群の早期発見のマーカーをなりうるかについて検討した。母体のサンプルは妊娠11-13,20-22,32-34,37-38週と分娩後に採取した。RCAS1蛋白濃度はELISAにて測定した。また、母体の血清のmRNAは(RT)-PCRを用いて測定した。RCAS1蛋白濃度は妊娠11-13,20-22週において妊娠32-34週に比して有意に増加していた。母体血中RCAS1mRNAは妊娠11-13週に妊娠37-38週に比べて有意に増加していた。また、妊娠11-13週のRCAS1蛋白濃度と分娩数週および、分娩時臍帯ガスのbase excessに正の関連が認められた。この研究結果より、RCAS1蛋白濃度と妊娠予後に何らかの関連があることが示唆された。これはおそらく、免疫学的な経路を介したものと考えられた。
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Research Products
(2 results)