2008 Fiscal Year Annual Research Report
三次元細胞性ネットワークを形成する骨細胞の機械的刺激応答の分子機構
Project/Area Number |
08F08133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MURSHID Sakhr Ahmed 東北大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メカニカルストレス / 骨芽細胞 / 骨細胞 / ギャップジャンクション / connexin 43 / 細胞性ネットワーク |
Research Abstract |
メカノセンサーとして働くと推察される骨細胞の機能発現メカニズムを分子レベルで解明することを目的として、本年度はニワトリ頭蓋冠からの骨細胞の単離と骨細胞特異的抗体であるOB7.3を用いた骨細胞の免疫組織学的同定、さらにコラーゲンゲルを用いて、単離した骨細胞の3次元培養を確立すること、actin,vinculin等の細胞骨格関連タンパク質、integrin等の接着関連タンパク質およびconnexin 43を指標とした細胞間のgap junctionの局在等についての検討が行われた。その結果、80m以下の厚みのコラーゲンゲル中でネットワークを形成する骨細胞の培養が可能となった。さらに、GFP融合actinを強制発現させ、生きた骨細胞の細胞骨格を蛍光顕微鏡下で観察可能とした。また、骨芽細胞と骨細胞の機械的特性について、両者の弾性の違いに着目し、細胞接着と弾性の関連について検討した結果、骨細胞では弾性の低下と接着領域の減少がみられ、弾性率が細胞接着の影響を受け、かつこれらは分化段階に関連して変化することを明らかにし、Bone誌に報告した。 以上、来年度に実施を計画している、3次元培養下の骨細胞にメカニカルストレスを負荷し細胞骨格関連タンパク質および接着関連タンパク質やgap junction関連タンパク質の動態変化の検討のための準備として十分な成果が得られた。 本研究は骨細胞性ネットワークを再現した3次元培養を用いることを特徴としており、骨細胞に着目するという新しい観点からの歯の移動制御法の開発に貢献することができるものと考えられる。さらに、骨細胞の細胞生物学的基盤的データを供することが可能であり骨代謝の全貌の生理学的、病理学的解明に寄与することができる。
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Research Products
(1 results)