2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08306
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鴻野 わか菜 Chiba University, 文学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANINA A. S. 千葉大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本語 / 多義 / 動詞 |
Research Abstract |
研究の目的は、日本語の多義動詞を意味転換ルールの組み合わせとして記述し、E・パードゥチェワがロシア語について得たデータと比較することである。 手順としては、複数の意味分野を代表する日本語の多義動詞を選択し、用法の統語的な特徴に基づいて意味転換を記述する。 研究実施計画通り、複数の意味分野を代表する日本語の多義動詞のリストを作成し、そのうち第一グループ(瞬間的な物質的接触の動詞)にたいして意味・統語的なデータを収集した。 研究実施計画では、データの形式化を最後の段階として、その前に日本語話者のインフォーマントを参加させてのデータ解析・解明を行う予定であったが、実際にデータを集め始めたとき、語義記述の大体の形を決める必要がわかった。したがってインフォーマントの参加を延期し、メタ言語の研究をした。項のほかに最低限の装飾語や助動詞(たとえば「〜てある」形の用法、受身形の有無)もコンテキストとして扱う必要が明らかになった。 結果としては、自然言語に近いメタ言語を使いながら語義をいくつかの項目に分けてそれぞれの中で意味と統語的な特徴の細かい対応付けを行う、という形になった。 項目は現時点では以下の通りである。1、動詞のアスペクト分類と結びつく動作の時間的な流れ、2.動作が複数の段階からなる場合、各段階の記述とそれに対応する装飾語、3.動作主から周辺的な位置を持つ項までそれぞれの項の記述、4.項の間の関係(たとえば道具項が動作主項の体の一部であることなど)。XMLを使ってデータベース化しやすいようにXHTML表記を用いている。
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