2010 Fiscal Year Annual Research Report
自動車産業における拡大生産者責任の順応的管理モデルに関する研究
Project/Area Number |
08F08309
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大谷 淳 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO Y. 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 拡大生産者責任(EPR) / 適応的管理 / 利害関係者 / ゲーム理論 / 環境政策管理 |
Research Abstract |
健全な環境の社会を実現するために有効と考えられる拡大生産者責任(EPR)に、多くの企業が必ずしも積極的に取り組んでいないという問題がある。本研究では、この問題の解決法を検討しており、本年度の目的は、現地調査を通して理論的かつ実証的な分析を進め、昨年度までに得られた主要な研究成果を改善および検証することである。「研究実施計画」に記した理論的分析と現地調査により、以下のような研究成果を得た。 EPRの施行により、生産者がより複雑に政府、消費者、小売業者、供給者と結びつくことがわかった。さらに、リサイクル業者が新たな利害関係者に含まれることもわかった。そこで、政府の影響および生産者がEPRに対応しやすくする要因について以下の3つの観点から検討を行った。第1に、政府と生産者の関係をゲーム理論により解析することにより、リサイクルにおける利益や罰則が生産者にとって重要な判断基準であることが明らかになった。第2に、現地調査に基づき、政策主導と利益主導のEPR実行法の比較評価を行った。第3に、EPRの経済的側面として、リサイクルのコストを生産者あるいは消費者が負担する政策を比較評価し、市場の需要と供給の弾力性が生産者の戦略決定に重要な影響を及ぼすことがわかった。 政府だけでなくリサイクル業者もEPR施行下の生産者にとって重要な利害関係者であることが明らかになった。リサイクルのコストをリサイクル業者と生産者で相応の分担をすることが生産者にとって重要である。 以上の知見の有効性を様々なシナリオについて検証した。
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Research Products
(4 results)