2008 Fiscal Year Annual Research Report
自動車産業における拡大生産者責任の順応的管理モデルに関する研究
Project/Area Number |
08F08309
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大谷 淳 Waseda University, 国際情報通信研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO Y. 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 拡大生産者責任 / 利害関係者 / 企業戦略 / 環境政策 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
健全な環境社会を実現するために有効な政策と考えられる拡大生産者責任(EPR)を効果的に実施する方法や条件を明らかにする検討を開始した。具体的には自動車産業を対象に、利害関係者(stakeholder)システムを明らかにするとともに、数量的なモデル化の方法を検討した。自動車産業における利害関係者としては、政府、製造企業、供給業者(supplier)、販売店、顧客、回収企業などが存在する。例えば、製造企業は、政府が実施するEPR政策に対して、その行動が、供給者だけでなく、回収企業に影響される等、利害関係者が相互に及ぼす影響は複雑である。そこで本研究ではまず、政府と製造企業との相互影響を、供給者と回収業などの(その他の)利害関係者を拘束条件とするゲーム理論モデルでモデル化することを提案した。ゲーム理論を用いれば、利害関係者システムの動的な挙動をシミュレートできると考えられる。これを裏付けるためのフィールドワークとして、米国の大学の研究者および自動車製造企業の専門家とのインタビューを行い、理論的にも実践的にも利害関係者システムおよび個々の利害関係者の特徴を明確にすることができた。さらに、ゲーム理論モデルおよびシステム最適化などの方法は、本研究の目標を達成するために適切な数理的方法であることも明らかになった。今回提案した政府と製造企業間のゲーム理論モデルを用いて実際にシミュレーションを行い、有効性の見通しを得るとともに、残された課題を抽出した。今後は、政府と製造企業だけでなく、その他の利害関係者も含めたモデル化が必要である。なお、今年度中に顕在化した世界的な経済状況の悪化を鑑みると、自動車産業はその影響を強く直接的に受けると考えられる。今後の研究対象としては、電子産業など、他の産業も視野に入れて研究を進めることにする。
|
Research Products
(2 results)