2010 Fiscal Year Annual Research Report
教育と所得の地域間格差とその移住と経済成長に与える影響
Project/Area Number |
08F08314
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駿河 輝和 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BYAMBAJAV Ehkh-Amgalan 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 収束速度 / 移住 / 教育水準 / 教育年度 / 所得 |
Research Abstract |
発展途上国の地域間の所得格差と教育水準の格差によってひき起こされる移住は、地域の経済成長にどのような影響を与えるかを説明することができるモデルを作成し、これに基づいてモンゴル国のデータを使用しシミュレーションすることを研究の目的にした。 上記の目的を実現するため理論的な2つのモデルを作成した。第1番目のモデルでは移住と人口の地域間収束との相互関係を分析することに注目した。ここで、移住には費用かかるが、資本移動には費用がかからないと考えた。第2番目のモデルでは移住と一人当たり資本の地域間収束速度と相互関係を分析した。ここで、移住には費用がかからないが、資本調整費用があると考えた。両方のモデルでは、移住者はある地域から他の地域に移住するときは、直接労働市場に労力を供給するか、将来もっと高い所得を得るために教育受けるかを選択することができる。移住者のこの選択によって地域間収束速度は変更する。 シミュレーションの結果を見ると、教育水準が高いとき、さらに、移住者の教育を受ける選択が高ければ高いほど収束速度が速くなるのに対して、与えられた教育水準では教育年数が高ければ高いほど収束速度が遅くなる。 実証分析では、モンゴル国のクロス・リージョナルデータ(1989-2009)に基づいて初めて定常状態への収束速度を推計した。推計結果をみるとモンゴル国の22アイマグの一人当たりGDPの間に収束性が存在している。さらに、定常状態への収束速度は2.5パーセントである。理論的なモデルで取り上げた移住を実証分析では条件付として収束式に追加すると、収束速度は5パーセントである。結果的には移住は地域間収束速度を上昇させる傾向あることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)