2009 Fiscal Year Annual Research Report
企業パフォーマンスの国際比較:多角化とR&Dに注目して
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08F08315
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
長岡 貞男 Hitotsubashi University, イノベーション研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 榮愨 一橋大学, イノベーション研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 多角化 / 企業パフォーマンス / 研究開発 |
Research Abstract |
企業の成長に関しては、日本の企業は米国など欧米の企業の違うとよく言われ、日本企業は多角化によって成長してきて、米国企業は特化によって成長してきたとも言われている。しかし、これを同一基準によって比較した研究は少ない。特に単独ベースの情報が主だった日本に関しては、このような研究が難しかった面もある。我々はこの問題意識の下で、企業の多角化行動の日米比較研究を行うことにした。 我々はまず日米両方に同じ産業分類を適用するため、「日本標準産業分類」と「Standard Industrial Classification(SIC)」をマッチさせ、共通の産業分類を作った。第二ステップとしては、日本企業の多角化のデータベースを構築した。詳しくは、日本企業に関しては、上場企業の財務データベースと、各企業の連結財務報告書に記載されている事業内容の各セグメントの事業活動を読んで、各セグメントに日本標準産業分類の格付けを行った。米国企業に関しては、米国のカリフォルニア大学・バークレー校のホール教授が1990年代のデータベースを構築し、我々はそれを2000年以降に延長して、SIC分類で米国のデータを構築した。第三ステップとして、両データを同一産業分類によって集計し、日米企業の多角化の程度を同じ基準で比較した。 その結果、日本の企業が米国企業より平均的に1個多くのセグメントを持っていることがわかった。これは少なくても上場企業に関しては日本企業が米国企業より多角化していることを意味する。また、グループとしての企業単位の研究開発集約度を比較してみると、多くの産業で米国企業の研究開発集約度が日本の企業より高いことが分かった。これらの結果は、企業年齢や企業規模などをコントロールしても変わらなかった。
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Research Products
(1 results)