2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルマラ海の北アナトリア断層帯沿いの地震発生域の電磁探査
Project/Area Number |
08F08319
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 康雄 Tokyo Institute of Technology, 火山流体研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANK Sabri Bulent 東京工業大学, 火山流体研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 地震 / 電磁気観測 / 活断層 / 比抵抗構造 / 3次元解析 |
Research Abstract |
トルコ国を東西に横断する長大な北アナトリア断層においては、これまで巨大地震が西方に移動しながら発生している。1999年イズミット地震の次の来るべき地震は、マルマラ海で起こると推定されているが、その破壊規模を推定するには海底の断層の構造を知る必要がある。そのために、海底電磁気観測を行い、断層の3次元的な不均質構造を解明することが本研究の目的である。 そのために、今年度も昨年度に引き続き、マルマラ海において海底電磁気観測を実施した。観測には、東工大と海洋開発研究機構の所有する海底電磁気観測装置を用いた。マルマラ海西部の断層セグメント中央部および、マルマラ海中央部の断層セグメントの境界をそれぞれ横切る測線を設定して観測点をそれぞれ5か所配置した。各観測点で1カ月弱の観測を実施した。ほとんどの観測点で、周期100秒から10000秒までの周期帯で良質なデータを取得できたので、地殻下部からマントルに至る構造が解明できるものと期待される。また、さらに、マルマラ海の島を利用して、マルマラ海西縁を横断する測線で陸上電磁気観測を行った。このデータは、海底観測データのモデリングを補強することができる。 さらにマルマラ海周辺で既に取得されている陸上の広帯域MTデータに関して、コンパイルを進め、3次元インバージョン解析を行った。この結果、イズミット地震の余震活動域が地殻内流体分布域を避けるように分布しておることを見出した。この結果の一部については、米国地球物理学連合秋季大会で発表した。 また、比較のために、日本国内の活断層地域の3次元解析を、長町利府断層を対象として実施し、内陸地震の震源が、地殻内流体が局在する場所にあることを解明した。
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