2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08324
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 靖 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOUSBIE Thierry 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 宇宙の大規模構造 / 銀河サーベイ / 宇宙論 |
Research Abstract |
我々の住む宇宙には、銀河団、フィラメント、ボイドといった豊かな構造が広がっており、これは宇宙の大規模構造として知られている。こういった構造を定量化し、観測により得られた銀河の分布と、及び、理論やシミュレーションによって予言される物質の分布を比較することで、宇宙の初期条件や進化の過程に関する様々な情報が得られるはずである。本研究課題では、従来用いられてきた銀河の2点相関関数等の統計量ではなく、スケルトンと呼ばれる、より直接的に銀河団、フィラメント、ボイドといった個々の構造物を取り扱う数学的な方法論の開発を進めてきた。2点相関関数だけでは表現しきれない豊かな宇宙の構造を定量的に扱うことができれば、従来とは統計的に独立な情報を引き出すことができるものと期待できる。本研究課題では、銀河分布からスケルトンを構築する方法論を開発するとともに、N体シミュレーションや理論モデルを用いてスケルトンの線密度等の統計量の予言を行い、その時間発展について詳しく調べた。また、大規模な銀河赤方偏移探査であるスローンディジタルスカイサーベイにより得られた銀河の分布を解析し、理論予言との比較を行った。これにより、一般に標準的と思われているΛCDM宇宙の正当性を評価し、その物質密度に対する制限を行った。 今年度は上記の解析に基づき、フィラメントに付随すると予想されている中高温銀河間物質のX線探査にもっとも適している場所の同定を行った。この結果に基づき、X線衛星「すざく」に中高温銀河間物質の検出を狙ったプロポーザルを提出し採択された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] ASKI : full-sky lensing map-making algorithms2010
Author(s)
Pichon, C., Thiebaut, E., Prunet, S., Benabed, K., Colombi, S., Sousbie, T., Teyssier, R.
-
Journal Title
Mon.Not.R.Astron.Soc. 401
Pages: 705-726
Peer Reviewed
-