2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANACLETO ARROJA Frederico 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙諭的非線形揺らぎ / インフレーション宇宙 / 非ガウス揺らぎ |
Research Abstract |
今年度は、非線形の宇宙論的摂動論に関して、以下の2つの課題に取り組んできた。 1.インフレーション宇宙における曲率揺らぎの非ガウス的揺らぎに関して、インフラトン場が複数ある場合や、ストリング理論に基づいたモデルとして注目を浴びているDirac-Born-Infeld(DBI)モデルなど、場の運動項が標準的な形をしていないインフレーションモデルにも適用できる、場の4点関数(トライスペクトル)の一般的計算手法の開発に取り組んでいる。なお、この研究の最中に、これまで様々な著者によって計算されていたDBIモデルにおけるトライスペクトルの評価が、実は不完全なものであったことを発見した。そこで、まずは、場がひとつの場合のDBIモデルにおけるトライスペクトルの再評価に取り組んでいる。 2.2つ目の課題は、宇宙論的摂動論の2次での重力波生成とそのゲージ不変性に関する問題である。通常はゲージ不変と考えられているテンソル揺らぎ(=重力波の揺らぎに対応)が摂動の2次ではゲージ依存性が現れることが知られている。しかし、観測量はゲージ不変量で表わされるはずである。そこで、我々は、まずは、宇宙の状態方程式が相転移によって急激に変化する状況下での2次の重力波生成問題に取り組み、その相転移前後の揺らぎの接続条件を導いた。現在この結果がCMB非等方性観測でどのように見えるか、そのゲージ不変性がどのように保証されるかを解析中である。
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