2008 Fiscal Year Annual Research Report
GaAs/AlGaAsヘテロ界面における電子/正孔の非平衡スピン輸送の研究
Project/Area Number |
08F08330
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古賀 貴亮 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FANIEL Sebastien 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | スピントロニクス / 半導体量子井戸 / スピン軌道相互作用 / ラシュバ効果 / メゾスコピック物理 |
Research Abstract |
InGaAs/InAlAs量子井戸(電子系)でのナノ微細構造(ループ配列構造)における電子輸送特性(スピン干渉効果)の測定を行った。スピン干渉効果は、量子井戸のポテンシャルの歪みに依存するRashba効果と結晶構造の空間反転非対称性に起因するDresselhaus効果、双方に依存するため、ループ配列構造を長方形にし、その長辺をどの結晶軸に向けるかによって、Dresselhaus項の結晶方位依存性(異方性)を研究することができる。今回、そのような実験に初めて成功した。その結果、理論で使われている結晶方位は、V族元素を原点に配置し、III族元素を1/4(111)の点に配置して定義されているが、実験で使われている結晶軸の定義はその逆であることが判明した。そのため、けじめのうちは、実験結果と理論結果が一致せず、研究に困難を来たしたが、InP(001)半導体基板表面にフォトレジストにより、ライン/スペースパターンを描き、塩酸によるエッチングを行い、その後の断面形状観察により、原子配置を元にした曖昧さのない結晶方位を確定した。このことにより、理論の場合と実験の場合で結晶軸の定義が同一となっていないことがはっきりとし、この問題を修正すると、実験結果と理論結果とは、見事に一致した。このような結果は、量子情報素子実現の鍵となる電子スピン制御に関する基礎的な研究として非常に重要で意義深いもである。
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Research Products
(3 results)