2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガン治療用ナノデバイスとしての核酸ナノマシンシステムの構築
Project/Area Number |
08F08340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 厚 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU Jie 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノマシン / DNA / カチオン性くし型共重合体 / ステムループ / 高分子電解質複合体 |
Research Abstract |
ステムループを形成する核酸配列、DIS25配列、は、分子内ステムループ構造が安定であるが、PLL-g-Dexにより分子間二重鎖に転移することを既に見いだした。そこで、PLL-g-Dexの有無により、DIS25配列の構造転移を制御できると考えた。 50℃において両末端に蛍光基と消光基を修飾したDIS25配列溶液にPLL-g-Dexを添加すると、蛍光が増大し分子間二重鎖が形成されることがわかる。その後、ポリアニオンであるポリビニル硫酸ナトリウム塩溶液(PVS)を添加すると、蛍光強度は再び低下した。つまり、PVSによりPLL-g-DexとDNAの複合体が解離され、分子間二重鎖からステムループ構造に戻ったと考えられる。さらに、PLL-g-DexとPVSを繰り返し添加することにより、二つの構造間をスイッチングできることがわかった。PLL-g-Dexを用いて、高分子電解質複合体の解離・再形成を利用することで核酸構造を繰り返しスイッチング出来ることがわかった。一方、比較的低い核酸濃度にも関わらず、共重合体の添加による分子内→分子間ハイブリッドへの移行が、PVS添加による分子間→分子内よりも迅速に生起することは興味深い。
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