2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素汚染に対するファイトレメディエーションにおける生分解性キレート剤の活用
Project/Area Number |
08F08343
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 浩 Kanazawa University, 物質化学系, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Mohammad Azizur 金沢大学, 物質化学系, 外国人特別研究員
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Keywords | 生分解性キレート剤 / ヒ素 / 土壌汚染 / 植物 / 湿地 / スペシエーション / 生物学的有効性 / 化学的分画法 |
Research Abstract |
1.ヒ素汚染が深刻なバングラディシュの植物より、土壌及び湿地中のヒ素を効率よく吸収する植物種として、アズーラ、アオウキクサ、サンショウモ、ホテイアオイを見いだした。 2.植物に取り込まれたヒ素の化学形態別分析法を検討し、根細胞におけるヒ素の分画には、キレート剤を含む洗浄液によって溶出後、フレームレス原子吸光法で定量する方法が有効であることが分かった。キレート剤の濃度や種類についての詳細は、現在検討中である。土壌中におけるヒ素については化学的分画法を適用し、間隙水、交換可能画分、炭酸塩画分、有機物画分、鉄マンガン酸化物画分、アルミノケイ酸画分に分画した。土壌及び間隙水中における無機及び有機ヒ素の分析法には、コールドトラップを組み合わせた還元気化原子吸光法、及び、フレームレス原子吸光法を用いた。 3.バングラディシュでは、主食としてイネが栽培されている。無機及びメチルヒ素を含む培地中でイネを栽培し、植物内へのヒ素の吸収量を求めた結果、無機ヒ素の取り込み量は、メチルヒ素と比べると1-2桁高いことが分かった。根表面におけるヒ素のスペシエーション分析を行った結果、根表面の酸化鉄層に5価無機ヒ素が濃縮され、その後、根細胞内に取り込まれることが分かった。 4.ヒ素の取り込みを促進する生分解性キレート剤を選定するために、各種キレート剤の生分解性を一般細菌を添加した液体培地で評価した。環境への蓄積による弊害を考慮して、1ヶ月以内にほぼ分解する生分解性キレート剤を5種類見いだしたので、次年度以降の実験に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)