2008 Fiscal Year Annual Research Report
高精度スペクトル定数のための露わに相関した結合クラスター理論
Project/Area Number |
08F08348
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天能 精一郎 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOKHAN Denis 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電子相関 / 結合クラスター理論 / 相関因子 / スレーター型ジェミナル / 分光学定数 |
Research Abstract |
特別研究員の開始から5ヶ月が経過したが、この間に露に相関した手法に関する幾つかの進展があった。露に相関した手法開発の基本的な目的は、量子化学計算の相関エネルギーに対する精度を高めると同時に、基底関数系の要求を緩和することにより計算コストを減少させることである。これらの二つの目的は、波動関数の展開にスレーター型ジェミナルを含ませることにより達成可能となる。本研究課題の始めの4ヶ月間で2つの新しい手法の定式化と実装を行い、幾つかの数値計算結果を得る事が出来た。 その第一は、数値積分に基づいたCCSD(T)(F12)法の開発であり、代表者が開発を進めているGELLAN量子化学計算プロイグラムの上で実装が行なわれている。得られた数値計算の結果から、新しい手法が全相関エネルギーと反応熱で著しい精度の向上を示すことを明らかにした。この結果はChemical Physics Lettersに出版されている。 次に、非制限Hartree-Fock参照関数に基づいたUMP2-F12法の定式化と実装を開殻分子の取り扱いのために行なった。新手法では、開殻系での電子間カスプ条件を満たすためのスピンフリップしたジェミナル基底が用いられ、数値計算から従来の手法に比べて完全基底関数極限に速やかに収束することが示された。原子化エネルギーに関する改善も明らかになった。以上の結果はJournal of Chemical Physicsに投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)