2009 Fiscal Year Annual Research Report
エナミンを求核剤とする不斉ニトロソアルドール反応の開発及び水系溶媒反応への展開
Project/Area Number |
08F08352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POISSON Thomas 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 不斉合成 / 炭素-炭素結合生成 / 有機合成 / カルシウム / アルカリ土類金属 |
Research Abstract |
光学活性β-アミノアルコール類は天然物のユニットに多く見られるのみならず、数多くの不斉触媒の原料として広く用いられている化合物群であるが、それ自身の合成法は限られたものであり、より効率的な供給手法の開発が望まれている。現在、筆者らはニトロソ化合物を求電子剤として用いるβ-アミノアルコールの効率的合成反応開発に向けた研究を行っている。本反応を開発するにあたり、より有効な触媒開発が必須であると考えられる。これまでに当研究室で検討を行っている、地球上に豊富に存在するアルカリ土類金属を積極的に用いる環境調和型の不斉触媒開発において、カルシウムアルコキシドと光学活性ピリジンビスオキサゾリン配位子から調製されるキラルカルシウム触媒が、イミンとマロン酸エステルとの不斉マンニッヒ反応を良好なエナンチオ選択性をもって進行させることを見いだしている。そこで、本触媒系を用いてニトロソ化合物との反応の検討を行ったが、現在までに有効な結果は得られていない。一方で、新たに開発したキラルカルシウム触媒を用いる、マロン酸エステルのα,β-不飽和エステルへの1,4-付加および不斉プロトン化連続反応の検討を行ったところ、目的とする光学活性な1,4-付加体が極めて高いエナンチオ選択性で得られることがわかった。本結果は、新たに開発したキラルカルシウム触媒の有用性を示すものであり、今後、本触媒を用いるニトロソ化合物との反応を目指す検討を行っていく。
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Research Products
(3 results)