2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子触媒による14族有機金属化合物の高効率ワンポット合成の開発
Project/Area Number |
08F08354
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALDES Lesbani 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 14族元素 / パラジウム |
Research Abstract |
14族有機金属化合物(Si,Ge,Sn)は合成中間体や医薬品・機能性材料のビルディングブロックとして有用な化合物群であり、これらは通常Grignard試剤に代表される1族または2族有機金属反応剤により合成される。本研究ではヒドロシランとハロゲン化アリール間のカップリング反応の開発を行った。具体的には、1級14族化合物または2級14族化合物(REH_3,REH_2:E=Si,Ge)に触媒と塩基の存在下、1当量のヨウ化アリールを2日間反応させ、続いて1当量の別種のヨウ化アリールを反応させることにより、ワンポットで対応するアリール化体を合成することができた。触媒としてはデンドリマーで保護したナノ金属触媒(擬均一系触媒)、錯体触媒(均一系触媒)、固定化触媒(不均一系触媒)などを詳細に調査し、最終的にtert-ブチルホスフィンで構造修飾したパラジウム錯体を用いた時に最も良い結果を与えることを見い出した。使用する溶媒や塩基、そして反応温度にも本反応の反応収率は大きく影響し、溶媒はテトラヒドロフランまたはジメトキシエタン、塩基はジイソプロピルエチルアミンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン(DABCO)を用い、室温(25℃付近)で反応させた時に最も良い結果を与え、収率50~80%で様々な異種集積型アリール化体を合成できた。合成した化合物の殆どが新規化合物であり、本反応は様々な14族有機金属化合物を合成する有力な手法の1つとなる。現在、本反応の応用として、分子内環化反応を利用してシラビシクロ環骨格の合成に着手している。
|