2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08357
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塩 寛紀 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEWTON Graham 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁性 / 結晶構造 / 配位子設 / マススペクトロスコピー / シアン化物錯体 / ヘテロ金属錯体 / 超分子 |
Research Abstract |
本研究においては,高い分子設計の自由度と多様性をもつ金属多核錯体の特徴を生かし,適切な有機配位子と反応条件の選択を行うことにより,金属イオンの相乗効果による特異な物性・反応性の発現を目指し研究を行う。特に,自己組織化を伴う超分子錯体合成においては,生成物質を正確に予測するこことは困難であり,その合成法の確立は,それ自体チャレンジングな研究対象である。本年度は,アルキルアミンとその新規誘導体を配位子とし,超分子金属ユニットを組織化することにより,特異な分子構造・結晶構造および電子状態をもつ超分子の創出を目的とし,以下の実験を行った。金属イオンの多核化に必要な架橋配位子である1,3,5-triaminocyclohexane誘導体の合成を行った。この多核化配位子と種々の金属イオンとの反応を,クライオスプレー質量分析による化学種同定法を用いて,反応条件を精密に調整し検討した。さらに,これまで合成した{Co_<12>}や他の骨格構造をもつクラスターのコリガンドを変えることにより,反強磁性的相互作用をもつ常磁性錯体など,多様な磁性を示す物質系の合成法を確立する。その結果,リジッドな構造をもつ配位子を用いて,金属中心間に反強磁性的相互作用を示す,混合原子価ヘテロ金属錯体{Ni_2Mn_4}の合成に成功した。また,{Ni_6}錯体ならびに同型構造をもつ{CO_3Ni_3}錯体の合成を行った。{Ni_6}錯体では,金属中心間に強磁性的相互作用が働いていることが,磁気測定により明らかにした。また,ヘテロ金属錯体である{Co_3Ni_3}錯体の磁気測定は現在行っているところである。
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