2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 康之 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Tinghua 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 半球型 / ナノサイズ / 分子触媒 / 高活性 / 高選択的 / 配位子 / 二酸化炭素 / 会合抑制 |
Research Abstract |
ナノサイズの触媒環境を有する均一系分子触媒の開発を行った。当受け入れ研究室ではこれまで,デンドリマー,ナノサイズ半球型,そしてカリックスアレーン部位を有するナノサイズ分子触媒の開発を行い,これらの触媒系が従来にはない極めて大きな触媒反応加速効果,触媒中心の会合抑制の成功,正のデンドリマー効果の発現,さらに従来では達成できなかった高い触媒選択性の実現などが可能であることを見出してきた。本研究においては,特に中心金属と強い相互作用を有する部位を有するナノ触媒空間の構築を行い,触媒活性の向上,新触媒反応の開発を行った。従来用いてきた半球型ホスフィンにおいては,メタテルフェニル基を3つ結合させることにより,直径約2ナノメートルの大きさを有する触媒環境の構築が可能である。しかし,このかさ高さは,従来の代表的なかさ高いトリt-ブチルホスフィンの構造と比較するとその差は明確である。本年度においては,触媒としてパラジウム触媒を用い,モノホスフィンパラジウム種が鍵活性種となる触媒反応の開発を行った,さらに半球型ピリジン配位子の合成も合わせて行った。すなわちピリジン環の2位と6位に種々の置換基を導入することにより,異なる半球の深さを有する5種類のピリジン配位子の合成に成功した。各生成物は種々のスペクトルを測定することにより同定した。今後は,これらの配位子を銅化合物に配位させることにより,ナノサイズに拡がる分子触媒環境を構築し,高活性,高選択的な分子触媒反応の開発を行う予定である。
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