2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 康之 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Tinghua 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 銅触媒 / 二酸化炭素 / ナノサイズ分子触媒 / 半球型ホスフィン配位子 / 芳香族アルキン / プロパルギルエーテル |
Research Abstract |
銅触媒の配位子として,触媒中心に強く配位することが知られているN複素環カルベンを用いた。昨年度の研究により,アルキン類の触媒中心に対する配位力を強めることが触媒反応の成否に強く関係することが明らかになってきたので,本年度においてはN複素環カルベン配位子に塩素,フッ素およびトリフルオロメチル基などの電子吸引基を導入した新規配位子の合成を行った。その電子吸引基の導入位置も触媒反応性に大きな影響を与えると考えられたので,N複素環上や窒素上の置換基上などに導入した配位子を種々合成し,二酸化炭素固定化反応を試みた。反応においては配位子のナノサイズ環境も極めて大きな影響を与えたが,基質であるアセチレン炭素に直接芳香環が結合することが重要であった。これは,芳香環の導入により,銅触媒中に対する強い配位力が発現するためと考えられる。また,プロパルギル位に銅中心に配位することが可能である酸素原子を導入することも有効であることを見出した。これらの発見により,常圧の二酸化炭素雰囲気のもと,広い範囲のアルキンのヒドロカルボキシル化反応を達成することに成功した。また,配位子として半球型ホスフィンを用いる検討も行ったが,あまり効果的ではないことが明らかになった。 本研究により二酸化炭素を極めて効果的に固定化反応できることが明らかになった。本研究は学会および論文発表後,大変大きな反響があり,本研究の成果は,今後の炭素社会実現のための有効な方策として極めて重要なものとなるであろう
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Research Products
(3 results)