2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08358
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 康之 Kyoto University, 工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Tinghua 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 二酸化炭素 / 銅触媒 / アルキン / 二酸化炭素固定化 |
Research Abstract |
二酸化炭素を触媒的に有機化合物に取り込むことは,極めて重要である。本研究ではナノサイズ触媒空間を活かして,二酸化炭素の活性化に極めて有効である分子触媒の開発を行った。銅触媒は二酸化炭素の活性化に有効であることは,これまでの研究によっても知られていた。しかし,その金属中心の会合が甚だしく,触媒活性の低下をもたらせていた。本研究においては,ナノサイズ分子触媒を用いることにより,二酸化炭素を有効に活性化し,アルキン類などの炭化水素不飽和化合物にカルボキシル基を効率よく導入できることを見いだした。触媒反応においては用いる配位子の影響を強く受けた。配位子としては触媒中心に強く配位することが知られているN-複素環カルベンが極めて有効であった。反応においては常圧(風船)の二酸化炭素雰囲気で種々のシランを還元剤として用いることにより還元的カルボキシル化反応が極めて効率的に進行した。本反応はアセチレン部に2つ芳香族環が結合しているアルキンに特に有効であり,結合している芳香族環が一つになるとその反応性は低下する傾向にあった。また,種々反応条件を検討したが,脂肪族内部アルキンを反応に用いることは出来なかった。末端アルキンはヒドロシランによる還元反応によるアルケンの生成を防ぐことが困難であったため,還元的ヒドロカルボキシル化反応の選択性は低下した。今後はさらに,広範囲のN-複素環カルベン配位子を検討することにより,反応に使用可能な基質の範囲を広げることを目指す予定である.
|
Research Products
(4 results)