2008 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデンおよび銅からなる集積型一酸化炭素酸化酵素機能モデルに関する研究
Project/Area Number |
08F08360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAL Kuntal 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 銅クラスター / モリブデン錯体 / 生物無機化学 |
Research Abstract |
金属酵素の反応を範とする新たな触媒機能の開拓を目指した有機-無機ハイブリッド型触媒系の展開を行う。より具体的には、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化するCOデハイドロゲナーゼの機能モデルとなり得るモリブデンと銅の混合金属錯体を用いた触媒系の構築を目的とする。本研究ではモリブデンと銅を組み合わせた混合金属錯体の構築法としてジチオレン部位でモリブデンと配位し、カルボキシレート部位で銅と配位する構造体構築法を想定して、分子内にジチオレン、カルボキシラートの両方を有するハイブリッド配位子の合成を行っている。ジチオレン配位子を有するモリブデン錯体は金属酵素のモデル系として広く研究されており、その機能を銅-カルボキシラートクラスターへ取り込むことで、金属酵素類似機能を有するクラスター反応場という、これまでに無い新しい触媒系を構築することができる。現在のところ、ジチオレン配位子へのカルボン酸部位の導入方法を種々検討した結果、ベンゼンジチオエーテルのヨウ素化とそれに続く芳香族カルボン酸エステルのホウ素化合物との鈴木カップリング反応によリ、チオエーテルとエステルの二つの官能基を有する配位子前駆体を合成し、さらに、エステル部位とチオエーテル部分の加水分解によってジチオレンとカルボン酸の両方の部位を有する配位子のアルカリ金属塩の合成に成功した。現在、合成した配位子のジチオレン部位へのモリブデンの導入方法に関して検討を行っている。
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Research Products
(1 results)