2010 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデンおよび銅からなる集積型一酸化炭素酸化酵素機能モデルに関する研究
Project/Area Number |
08F08360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAL Kuntal 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 銅クラスター / モリブデン錯体 / 生物無機化学 |
Research Abstract |
金属酵素の反応を範とする新たな触媒機能の開拓を目指した有機-無機ハイブリッド型触媒系の展開を行う。より具体的には、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化するCOデハイドロゲナーゼの機能モデルとなり得るモリブデンと銅の混合金属錯体を用いた触媒系の構築を目的とする。本研究では2核モリブデンクラスターと銅を組み合わせた混合金属錯体の構築法としてホスフィン配位子を有するモリブデンクラスターをメタロリガンドとした単核銅錯体との錯体形成反応を行った。2核モリブデンクラスター錯体に用いる配位子としては、リン・窒素・酸素を有する多座配位子を用い、窒素・酸素部位が2核錯体に配位することでリン周りが多金属に配位可能なメタロリガンドの合成に成功した。また、得られたモリブデンクラスター錯体と銅イオンの反応により、二つのモリブデン、および、一つの銅からなる混合異種金属クラスター分子の合成に成功した。モリブデン・銅3核錯体の反応性として銅イオン周りの配位子置換反応の検討を行い、導入する配位子、また、用いる溶媒によって3核錯体の構造が大きく変化し、メタロリガンド部位がシス型とトランス型のそれぞれをとりうることが明らかとなった。それぞれの構造はX線結晶構造解析により同定し、二つのモリブデン原子、また、一つの銅原子が直線状に並んだ構造であることを見出した。さらに、一酸化炭素との反応を行い、一酸化炭素の配位を確認するとともに、酸化剤を加えることで一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応に関する検討を行った。
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