2010 Fiscal Year Annual Research Report
高生体適合性ハイドロキシアパタイトコーティング気相プロセスによる組織制御
Project/Area Number |
08F08370
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NATH Shekhar 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 生体セラミックス / 化学気相析出 / ハイドロオキシアパタイト / リン酸カルシウム / ケイ酸カルシウム |
Research Abstract |
TiおよびTi合金インプラント上にリン酸カルシウムなどのセラミックス膜を被覆することにより、周囲の骨組織の形成が促進され、生体適合性の向上が期待される。そこで、本研究では、有機金属化学気相析出(CVD)を用いCa(dpm)2、(C_6H_5O)_3POおよびSi(OC_2H_5)_4(TEOS)有機金属錯体により、Ca-P-O系およびCa-Si-O系膜を合成した。α-TCP膜の表面構造は,原料過飽和度に依存し、ファセット面からカリフラワー状組織へと変化した。また,断面構造はよく発達した柱状晶であった。α-TCP膜の配向は,(290)および(400)に強く配向した膜が得られた。一方、HAp膜の表面構造は粒状結晶であり,断面は緻密構造であった。得られたHAp膜は(300)および(002)に強く配向した。ハンクス溶液中への浸漬実験では、α-TCP膜は高い結晶化度および比較的なめらかな粒子表面の影響を受け、浸漬7日後においてもアパタイト形成は観察されなかった。一方、(300)配向したHAp膜は浸漬24時間後、(002)配向したHAp膜は浸漬6時間後でそれぞれ表面全体が粒状のアパタイトで覆われた。アパタイトの形成は膜の窪みで優先的に起こり、浸漬期間の増加とともに球状から緻密な層状へと変化した。T_<sub>=1223-1323K、R_<Si/Ca>=18では、CaSiO_3およびCa_3SiO_5の混相膜が得られた。いずれの組成においても緻密な微細構造を示した。ハンクス溶液中での浸漬試験により、1日後粒状のアパタイトの前駆体が検出され、7日後β-Ca_2SiO_4単相膜の表面全体が新たに生成したアパタイトにより被覆された。このアパタイトにはCO_3^<2->がFT-IRにより検出され、針状組織を持つポーラス構造であった。アパタイトの形成速度は、CVD法により作製したHAp膜(6時間)より低いが、CVDCaTiO_3膜およびα-TCP膜より高かった。
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Research Products
(3 results)